2012年6月9日土曜日

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ホルモンバランス:崩れの推移

ホルモンバランス:崩れの推移

モンバランスの崩れの推移

生殖機能の衰えに伴って発生するホルモンバランスの崩れの推移を順を追って見てみましょう。

初期-この段階ではまだ生理の乱れや変調が見られないのが普通ですが、正常パターンとの比較ではLHとFSHが既に異常に高くなっているので、卵巣過剰刺激状態になっています。エストロゲンはまだ高くなっていませんが、黄体期の黄体ホルモンが低くなっているためエストロゲン優勢になります(図1参照)。この時期には黄体化非破裂卵胞症候群(LUFS Luteinized Unruptured Follicle Syndrome) があったりします。PMSの主症状としてイライラを上げる人が多いのは、鎮静剤として重要な作用を持つプロゲステロンとその派生ホルモンの不足を反映しています。

むくみとそれから派生する症状、つまり、卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulation syndrome: OHSS)の初期症状が見られるようになります。軽度の場合は、「病気」とは考えられていない症状が多く、不定愁訴、PMS、月経困難症、といったラベルがよく使用されます。周期も短くなる傾向があります。卵巣の過剰刺激を抑制しOHSSを予防するためにプロゲステロンの補給が必要になってくる時期です。PMSの80%はプロゲステロン補充で改善すると言われています。不妊治療でのOHSSの予防にはプロゲステロンの補給が必須とされています。

PMSは普通ならプロゲステロンの高くなる黄体期に発生するため、プロゲステロンが引き金になると説明されていたりしますが、これは単純な相関関係と因果関係の区別を知らない人が言うたわごとです。しかもPMSが悪化する段階では黄体期でもプロゲステロンが高くならず、エストロゲンのみが高くなります(図2参照)。


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▲図 1. 生殖機能の衰え初期: 1周期分のホルモン推移
出典:Santoro et al., Menstrual Cycle Changes across the Menopause Transition
J Clin Endocrinol Metab, June 2004, 89(6):2622-2631

中期-この段階になると、LHとFSHだけでなくエストロゲンが非常に高くなり(図2参照)、卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulation syndrome ; OHSS)、つまり排卵促進治療を受けたときの副作用と同じような症状(卵巣がはれる、多のう胞性卵巣、下腹部痛、腹部に水がたまりおなかが張る、むくむ、体重増加、尿が少なくなる)や皮膚の奇妙なかゆみやミミズ腫、不正出血、生理不順、重い生理、乳房の張りやしこり、その他が程度の違いはあってもはっきりしてくる時期です。

排卵があるように見えても、正常との比較で見ると、エストロゲンが著しく高くなっているのに対し、プロゲステロンが高くなるべき黄体期にもプロゲステロンはわずかしか上がらずエストロゲンが著しく高くなっています。FSHとLHが引き続き高く卵巣過剰刺激が進行していますが、無排卵月経も多くなります(図3参照)。

これは最も危険なホルモンパターンで、40歳前半には乳房の張りやしこり、生理前の下腹部の痛みや腫れ(腹水、卵巣のう腫、多のう胞性卵巣)、不正出血、生理不順、重い生理などで異常に気が付く人が増えてきます。乳ガン、子宮ガン、子宮筋腫、子宮肥大などのリスクも高くなってきます。

卵巣過剰刺激症候群の根底には血管壁の透過性が異常に上がるという現象があるわけですが、そのメカニズムは解明されていないという説明をあちこちで見かけます。とんでもない話です。エストロゲンとプロゲステロンが細胞膜や血管壁の透過性に正反対の影響を及ぼすことは何年も前からレイ・ピート博士が指摘していたことです。


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エストロゲンとプロゲステロンは表皮細胞の透過性をコントロールするCFTR(cystic fibrosis transmembrane conductance regulator)という物質の増減を左右することが確認されています。もちろんエストロゲンは表皮細胞の透過性を増加し、プロゲステロンはそれを抑えるように作用します。これは動物実験で確認されていることですが、卵巣過剰刺激症候群の予防にプロゲステロンが重要であることが臨床実験でも繰り返し確認されている事実を無視することはできません。

卵巣過剰刺激を抑制し、エストロゲン過多とプロゲステロン不足を補正して細胞膜の浸透性を正常化するためにプロゲステロンの補充が最も重要な時期です。余分なホルモンが体にたまらないように排泄機能の管理も重要です。このときに糖尿病、インシュリン抵抗、慢性ストレスなどがあると、症状はいっそう悪化します。


▲図 2. 生殖機能の衰え中期: 1周期分のホルモン推移
出典:Characterization of Reproductive Hormonal Dynamics in the Perimenopause,
Santoro, N. et al., J Clin Endocrinol Metab, 1996, 81(4):1495-1501

閉経数年前の典型的なパターンを見せる人の例-低エストロゲンがしばらく続いたかと思うと、高レベルのFSH/LHサージが繰り返されて、その後エストロゲンが異常に高い値で続く一方、黄体ホルモンが上がらない(無排卵)期間が長く続くのが特徴。この期間には、生理がしばらく止まったと思ったら、重い生理が来るというパターンを繰り返す人も少なくありません。ホルモンの大きな変動が気分や体調にも反映され不安定になります。次第にエストロゲンもプロゲステロンも上がらない閉経後のパターンに移行していきますが、この期間を無事に乗り越えるには、ストレスや栄養管理に加えて、プロゲステロンの補給が重要な役割をします。


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▲図 3. 生殖機能の衰え中期:258日間のホルモン推移
出典:Characterization of Reproductive Hormonal Dynamics in the Perimenopause,
Santoro, N. et al., J Clin Endocrinol Metab, 1996, 81(4):1495-1501

早発性卵巣機能不全(35歳以下で卵巣機能不全の診断を受けた人の例)-通常の更年期と同じようにFSHとLHが高レベルで推移し、卵巣の過剰刺激が見られます。黄体ホルモンが上がることがないのに対してエストロゲンが高くなる期間が時々あり、それに伴って生理もたまにあります。閉経後と同じような低エストロゲン状態になっている期間も見られます。


▲図 4. 生殖機能の衰え:早発性
出典:Characterization of Reproductive Hormonal Dynamics in the Perimenopause,
Santoro, N. et al., J Clin Endocrinol Metab, 1996, 81(4):1495-1501

後期(閉経後数年)-FSHもLHも高レベルで推移しています。FSHの上がり下がりが少なくなっていますが。LHには上がり下がりが見られますます。一方エストラジオールとプロゲステロンはゼロ近くで安定しています。


▲図 5. 生殖機能の衰え後期:閉経後のホルモン推移
出典:Characterization of Reproductive Hormonal Dynamics in the Perimenopause,
Santoro, N. et al., J Clin Endocrinol Metab, 1996, 81(4):1495-1501


閉経前後から閉経後数年(平均5年ともいわれています)にかけて最もよく見られる症候群は血管運動神経障害症候群です。突発的に発生するほてり、のぼせ、発汗、寝汗、動悸、などが自覚症状です。これはエストラジオールの上がり下がりが激しくなる閉経前にも見られ、エストラジオールもプロゲステロンもゼロ近くで安定する閉経後も続きます。エストラジオールが高レベルで上がり下がりする時期にも発生する理由は、これが一種の禁断症状だからです(閉経前にエストロゲンを補充するのは禁物です)。
この種の更年期障害の重さには大きな個人差があり、エストラジオールが異常に高くなった程度が大きいほど、その期間が長かったほど、つまりPMSの症状が重く長期間続いた人ほど更年期障害も重くなるという報告があります。この症状を抑えるのが目的でホルモン補充を始める人が多いようですが、理想的にはプロゲステロンが低下し始める初期段階からプロゲステロンの補充を開始し、閉経後は必要に応じて低量エストラジオールの張り薬をプロゲステロンと併用するのがもっとも安全で効果的です。

膣の潤いの減少はエストロゲンの絶対量が低下すると発生します。これは膣だけでなく尿道や膀胱の組織にも影響し、尿が漏れやすくなったり、炎症を起こしやすくなったりします。血管運動神経障害症候群が消えた後でもエストロゲンの補充が必要な場合があるとすれば、これが問題になる場合です。

参考リンク・文献・資料

Menstrual Cycle Changes across the Menopause Transition
Santoro et al., J Clin Endocrinol Metab, June 2004, 89(6):2622-2631

Characterization of Reproductive Hormonal Dynamics in the Perimenopause,
Santoro, N. et al., J Clin Endocrinol Metab, 1996, 81(4):1495-1501

Estrogen-induced abnormally high CFTR expression results in ovarian hyperstimulation syndrome
Louis Chukwuemeka Ajonuma, et. al., First published July 28, 2005 as doi:10.1210/me.2005-0114



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