[2001年2月22日 (VOL.34 NO.8) p.27]
予防・治療の新たな選択肢
特定の栄養素の量をどのようなUSDAの推奨はしないfalciparum性マラリアの治療選択肢の 1 つとしても同薬を推奨している。
Glaxo Wellcome社のHIV・日和見感染症臨床開発部門を担当するLynne Smiley副社長は「抗マラリア薬の 1 つにMalaroneが加わったことにより,特に現在の治療法がもはや無効となっている地域への旅行者に,予防を目的とする選択肢が新たに提供されることになる。マラリアは海外旅行者にとって依然として重大な健康上のリスクとなっており,米国内の居住者に新しい代用法が提供されることは喜ばしい」と述べた。
昨年10月末には,米国熱帯医学・予防衛生学会で,インドネシア移住者を対象として行ったMalaroneの安全性と有効性に関する臨床試験成績が発表された。この治験は,インドネシアにある米海軍医学研究部(ジャカルタ)によって,最近ジャワ島から西イリアン島に移住し,マラリア原虫に対する免疫を獲得できなかった297例を対象として,二重盲検ランダム化プラセボ対照試験として実施された。
20週間の治験期間中,プラセボ投与群では149例中23例,Malaron投与群では148例中 1 例がP.falciparumによるマラリアと診断された。これらの非免疫被験者でのP.
どのような肺炎が身体にないfalciparum性マラリアの予防についてのMalaroneの有効性は96%であった。Malaroneの安全性はプラセボと同等であった。
Glaxo Wellcome社Malarone開発チームのリーダーであるJeffrey Chulay博士は「インドネシアで得られた結果によって,リスクの高い非免疫患者群にはMalaroneが有効で耐容性が高いことが明らかになった。これらの所見は,Malaroneの利用に対するCDCの最近の勧告と合わせて,今後こうした国々に旅立つ際にマラリアに対する懸念を抱いている人々にとって,朗報となるだろう」と述べた。
Malaroneは 2 種類の抗マラリア薬であるatovaquoneとproguanilの固定用量組み合わせ製剤である。Glaxo Wellcome社の前身であるWellcome Research Laboratories社は,1980年代に,抗マラリア薬としてatovaquoneを開発した。臨床試験で,同薬は単独投与で有効であったが,時間の経過とともに一部の患者でマラリアの再発が認められた。その後1990年代に行われた臨床試験では,proguanilとの併用で治癒率が98%に達する成績が得られた。Malaroneは現在,世界35か国以上で承認されている。
成人・小児で高い有効性
アシネトバクターは、感染症を引き起こすために必要とされるどのように多くのfalciparumにより引き起こされるマラリアの予防薬として米国でMalaroneが承認される契機となった臨床試験では,成人および小児( 5 歳以上)400例以上が対象となった。この試験から,マラリアの予防ではMalaroneに98%の有効性が示された。マラリアの予防目的で同薬を服用した成人,小児の双方で最も頻度の高かった有害事象は,頭痛と腹痛であったが,発現率はプラセボと同等であった。
マラリア予防のMalarone推奨用量は,成人では 1 日 1 錠。マラリア流行地域に入国する 1 〜 2 日前から服用を開始し,滞在中に 1 日 1 錠,帰国後は 7 日間に限って 1 日 1 錠を服用する。体重40kg未満の小児では,低用量の小児用錠剤を服用する。
急性症状にも有効
成人急性マラリア患者では, 1 日 1 回 4 錠を 3 日間投与した。小児の治療用量は,体重により調節した。Malaroneは,atovaquoneまたはproguanilのいずれかの成分に過敏性を示す患者では禁忌である。臨床試験中,投与後に 1 例のアナフィラキシーが認められた。
世界保健機関(WHO)によると,マラリアは依然として「人類が直面する最も重大な疾患の 1 つ」である。WHOでは,年間 3 億〜 5 億人がマラリアに罹患して100万人以上が死亡し,そのほとんどは 5 歳未満の幼児であると推定している。米国では,ビジネス旅行者,軍関係者,航空会社社員,休暇旅行者および宣教師など,毎年700万人以上の人々が,アフリカのサハラ砂漠以南地域,東南アジア,アマゾン地域および南太平洋諸島のマラリア流行地域を旅行しており,帰国後の米国居住者で年間1,000例以上の急性マラリアが報告されている。
(Copyright 2001 DoctorsGuide.com)
0 件のコメント:
コメントを投稿